機能と特徴
ソフトウェアベンダやシステムインテグレータの皆様はもちろん、ITシステムを自社開発されている企業様でも、ABBYY OCR SDKを高精度データ処理システムの実現に活用いただけます。 開発したソフトウェアはWindows、Linux、Macのデスクトップやサーバーにインストールすることも、クラウドや仮想マシンにデプロイすることも可能です。 多彩なOCR機能がソフトウェアの価値を向上。活用分野はDMS、ERP、RPA、保険、銀行、ヘルスケア、法律、マシンビジョンと枚挙にいとまがありません
Parallel Processing
マルチコアCPUの活用と並列処
柔軟でスケーラブルなアーキテクチャを搭載したABBYY FineReader Engineでは、マルチコアCPU を活用し、複数のスレッドで並列に画像を処理できます。 これにより、処理速度の大幅な向上が可能です。 デフォルトでは、多重処理を実施するかどうかはABBYY FineReader Engineが自動的に判断します。 その際に考慮されるのが、コンピュータシステムで使用できる物理的または論理的なCPUコアの数、ライセンスで定義されたCPUコアの数、文書に含まれるページ数などです。 必要に応じ、開発時に多重処理の設定を変更して、実行するプロセスの数を指定することも簡単にできます。 ABBYY FineReader Engineでは、FRDocumentとBatchProcessorという2つのオブジェクトで多重処理を実現しています。 どちらを使うかは、使用シナリオによって決めます
数多くの複数ページの文書を変換する場合
書籍や長いレポートなどがこれに当たります。この場合、複数ページを並列に認識してから、合成とエクスポートはメインプロセスで実行することが可能です。 複数のエンジンを使用している場合には、複数ページからなる文書をいくつか同時に処理することも可能です。しかし、莫大なメモリ容量が消費されて、メモリ不足によるエラーが発生する恐れもあります。 複数ページからなる文書の並列処理では、FRDocumentの使用をお勧めします。追加で実装が必要となるインターフェースがなく、非常にプログラミングしやすい多重処理方法です。
FRDocument を使用した場合、データを開いて前処理を施し、分析・認識を実行するまでの工程が並列で、合成はメインプロセスで逐次で処理され、その後、エクスポートは再び並列処理となります
クラウドや仮想環境に対応
文書処理やデータ抽出を行うソフトウェアを、クラウドや仮想環境など、最新の環境でもデプロイできるよう、ABBYY FineReader Engineではクラウド向けの新しいライセンスに対応しています。
ソフトウェアをクラウド環境にデプロイすることを想定したライセンスです。テキスト認識やデータキャプチャシステムを、Microsoft AzureやAmazon EC2などのプラットフォーム上で実行する場合などがこれに当たります。 また、インターネットに接続されたOCRワークステーションや仮想マシン上で使用することも可能なライセンスです。
クラウド向けライセンスでは多数のユーザーによる同時使用が認められています。 複数のクラウドサービスや、インターネットを介して接続された複数のワークステーションで同時に使用できます。処理可能なページ数だけを制限の対象とするライセンスです。 クラウド向けライセンスは開発ライセンスとランタイムライセンスのどちらにも対応しています。 文書処理とOCR作業をクラウド環境や仮想マシン上で実行するには、処理を行うコンピュータでインターネット接続が有効でなければなりません。
認識プロファイルを使って素早く設定
ABBYY FineReader Engineは、使用頻度の高いシナリオに対し、あらかじめ定義された処理プロファイルを備えています。 これらプロファイルを使えば開発時の手間が省け、OCRに関するパラメータについて詳しい知識がなくても、簡単にOCR処理機能を実装できます。 OCR SDKを統合する際に、特定の用途に適したプロファイルを選択するだけで自動的に最適なパラメータ値を設定できます。 ほとんどのプロファイルには2つのバージョンが用意されています。 最高の品質を実現するよう最適化された設定と、処理速度を最短にす
ABBYY FineReader Engineで使用できる定義済みのプロファイルは以下の通りです。
Visual components
ユーザーインターフェースのコンポーネント
画像ビューア
画像ビューアは文書ページの全体画像を表示することができ、ユーザーは画像を見ながら編集ができます。 以下のような操作が可能です。
- 画像の回転、クロップ、分割
- 描画による認識範囲の指定、またはブロックタイプ(テキスト、画像、表、バーコード)の選択
- コードを介してツールバーにあるボタンの表示/非表示を切り替えられ、ボタンのカスタマイズも可
拡大ビューア
文書ビューア
テキストエディタ
テキストバリデータ
製品の詳細資料とサポート
詳しい説明やサンプルコードを豊富に掲載した資料をご用意しています。初めてご使用になる方でも簡単に、テキスト認識やデータキャプチャの各機能をアプリケーションに統合いただけます。 製品に付属している開発者向けヘルプファイル「Developer's Help」を開き、基本使用シナリオ一覧が掲載されたセクション「Basic Usage Scenarios Overview」をご一読いただけば、すぐに作業を開始できます。 各シナリオでは詳しい説明と実装の際に注意する点、特定の用途向けにコードを最適化するヒントなどが掲載されています。 実現したい用途が基本シナリオのいずれにも該当しない場合には、高度な機能を紹介したセクション「Advanced Techniques」に各種アドバイスがありますのでお役立てください。 また、プログラミングの様々な局面を取り扱ったセクションでは、各種プログラミング言語でABBYY FineReader Engineを使用する際に役立つ情報を提供しておりますので、ぜひご一読ください。 さらに、ABBYY FineReader Engine開発者向けパッケージに付属されているサンプルコードもご覧いただけます。 APIについての詳細情報も、製品の開発者向けヘルプファイルに記載されています。
また、ABBYYが運営する技術情報のポータルサイトには、幅広いテーマを扱ったナレッジベースや開発者向けのフォーラムもあり、実践で役立つABBYY OCR SDKのプログラミング方法や詳しい技術情報をご覧いただけます。ぜひご活用ください。 サポートが必要な場合には、弊社の技術エキスパートにいつでもご相談いただけます。 ABBYYテクニカルサポートチームでは、製品の評価段階で発生するご質問にもお答えしています。
さらに、ABBYYではプロフェッショナルサービスも提供し、お客様やユーザー様のニーズに即したトレーニングも実施しています。